この日は久しぶりに仕事が休みで、何としても有意義に過ごそうと決意していた。

早起きに無事成功し、コーヒーを飲みながらタコちゃんウインナーについてしばらく考えていたら、無性に絵が描きたくなってきた。

本棚に無造作に差し込んであったアクリル絵の具セットを準備して、思いのままに筆を走らせてみる。

すごく上手に岩牡蠣の絵が描けたので、乾かしてから額縁に入れてヤフオクに出品した。

まだ午前中なのにすでに充実している、これはすごい一日になるぞと思う。

興奮が抑えられなくなり、着替えて家を出ることにする。

自転車で最寄駅まで向かう間、ずっとタコちゃんウインナーのことを考えていた。

地下鉄のホームでポンジュースを飲みながら電車を待っていて、ふと線路に目をやると、ポッチャマがレールの上をおもむろに歩いていた。

おそらく、線路をファッションショーのランウェイと勘違いしているのだろう。

かわいい奴だが、アホすぎていじらしくもある。

声をかけようか迷っていたら、走ってきた電車にポッチャマは轢かれて死んでしまった。

これはまずいことになった、と思い、私はその場から走って逃げ出す。

街を自転車で駆ける。

早く、一刻でも早く、家に帰ってクローゼットに逃げ込みたい。

しかし、タコちゃんウインナーの影が私を捕らえる。

だめだ、どうしてもタコちゃんウインナーのことが頭から振り払えない。

破れかぶれな私は、救いを求めて太陽を見上げる。

太陽がいない代わりに、鈍色の脚立が空を泳いでいた。

それ自体は昨今珍しいことではないが、よく見ると、お猫が目をつむって脚立にしがみついている。

あぁ、あれは近所の多寡邑さんが飼っているお猫だ。

絶望が私に王手をかけ、投了の時が迫る。

お猫がいなくなったら誰が多寡邑さんを食わせていくというのか?

ごめんなさい、ごめんなさい、私のせいだ。

私がタコちゃんウインナーのことばかり考えていたから、ポッチャマは電車に轢かれて、多寡邑さんちのお猫は脚立ごと空に飛んでいっちゃったんだ。

ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。

I’m so sorry.

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半世紀が過ぎたが、私は未だにあの日の後悔を忘れることがない。

鹿の角を火に焚べながら、乾いた空気を腐った肺に吸い込む。

そしてこれから始まる果てしない一日を思う。

空には曲がった月が私を嘲笑うように輝いている。

明日も寸分違わぬ一日が私を待つ。

3年後も、来世紀も。

ああ、タコちゃんウインナーをめぐる私の罪と罰を見よ!

私の背中にくくりつけられた十字架はあまりに大きい。